航空管制科

航空管制科についてのQ&A

 空港に配属された管制官は 管制塔での飛行場管制業務と、レーダー室でのターミナルレーダー管制業務という仕事をします。飛行場管制業務は、航空機を目で見て、無線を使って離陸や着陸の許可などを行う仕事です。
 ターミナルレーダー管制業務は、空港周辺約100kmほどの範囲内を飛行する航空機を、レーダー画面を見ながら無線を使って方向や高度を指示する仕事です。  中規模以上の空港では、飛行場管制業務とターミナルレーダー管制業務の二つの仕事があり、配属された管制官はその両方の仕事を交代しながら行います。小規模空港ではターミナルレーダーが無い空港もあり、飛行場管制業務だけを行います。
 また、稚内、山形、南紀白浜、山口宇部、佐賀空港などの小規模空港では、管制官が配置されていません。これらの空港では、「航空管制運航情報官」(航空情報科の修了生です。)が管制塔のなかで「対空援助業務」という飛行中の航空機に様々な情報を提供する仕事を行っています。
 さらに、三沢、小松、米子、徳島空港などの自衛隊等との共用飛行場や新千歳空港では、防衛省の管制官が仕事をしています。(なお、共用飛行場の全てが防衛省の管制官の業務というわけではありません。那覇空港は航空局の管制官が業務を行っています。)

 航空交通管制部は、札幌、東京、福岡及び那覇に4カ所ありますが、いずれも空港内にはありません。航空交通管制部での仕事は「航空路レーダー管制業務」といって、空港周辺以外の空域で飛行中の航空機に対して高度や針路などの指示を行っています。(出発空港から離陸後ターミナルレーダーで誘導され、その後はずっと航空交通管制部の管制官がレーダー誘導を行い、到着空港に近づくと到着空港のターミナルレーダーで誘導されます。つまり離陸後の約5分間と着陸前の約10分間を除き、飛行中のほとんどは航空交通管制部が航空機を誘導していることになります。)
 航空交通管制部での仕事は、空港の管制官と違って、「航空路レーダー管制業務」だけを行います。ただし、管轄する空域が広大なため、これを細かく分割した「セクター」という区域の担当を交代しながら仕事をします。

 配属先での資格を取るための専門研修と訓練が必要になります。空港や航空交通管制部によって研修・訓練の期間は異なります。配属された空港や航空交通管制部ごとに必要な資格を全部取得して一人前の管制官になるには、おおむね1年~3年程度の期間が必要です。

 空港に限定されることはありません。多くの管制官が空港と航空交通管制部の両方を経験しています。従って、航空保安大学校の基礎研修ではその両方を研修します。

 航空管制官を養成する本科研修コースは、平成23年3月に修了した第41期生をもって廃止となりました。なお、航空管制官になるためには大学卒業程度の方を対象とした「航空管制官採用試験」に合格し、「航空管制官基礎研修課程(8カ月)」を修了する必要があります。
 受験資格は航空管制官採用試験へお進み下さい。

 管制業務を行うには国際民間航空機関(ICAO)が定める英語能力証明試験を定期的に受験し、一定基準以上の成績を修めなければなりません。
 緊急事態などが発生すれば、定型的な管制用語のみならず、一般的な英会話能力も必要となりますが、あくまで英語はパイロットとのコミュニケーションツールであって、他のスキルを習得することも要求されます。

 航空機は自動車と違って高度差により経路が交差するので、三次元空間のイメージをしやすい人が向いています。
 また、複数の航空機を同時にコントロールするため、一点に集中することなくあちこちに気配りできることも大切です。
 それ以外にも航空機の便名や通報事項を聞いてすぐに記憶できる短期記憶能力や同時に複数の仕事をバランス良くこなす要領の良さがあると良いかもしれません。  航空管制業務にはチームワークが不可欠です。高速で飛行する多数の航空機を安全に処理するには個人の能力では限界があるからです。
 お互いの年齢や経歴に関係なく、アドバイスを素直に受け入れる心や、気付いたことを発言する積極性なども必要です。

 研修生には修了時にアンケートをお願いしています。その中からいくつかご紹介します。
 ★大学での専攻などは研修と全く関係ありません。必要なのは喰らいついていこうとする姿勢や仕事を好きになるための工夫だと思います。
 ★座学で学んだことが、実習で成果としてタカチに現れるまで個人差がありますが、一喜一憂することなく、一つずつ確実に修正して積み重ねていくことが、良い結果に結びつきます。
  保安大では、ミスは学びの機会であって、決して悪いことではありません。
 ★色んなことを教官や先輩、同期、後輩研修生と議論して交流してほしいです。自分一人では分からないことも、共有することで深まり、前進します。ハードな一年ですが、同期のことを好きになって管制のことを好きになって、向上心をキープしてください。

 一概にはどちらとも言えません。
 航空気象や無線工学などの理数系科目、法令や英語などの文系科目など分野の違いにより得意不得意科目はあるでしょうが、研修生はそれぞれしっかりと勉強して乗り越えています。