(1)発生源対策
航空機騒音に関する発生源対策の一つとして、航空機そのものの低騒音化があります。航空機の騒音基準を厳しくすることにより、最新の航空機ほど低騒音化が図られています。
また、騒音を軽減するための運航方式(騒音軽減運航方式)を採用することによって、飛行経路下における航空機騒音の軽減を図っています。
図で示している航空機騒音レベルの比較をテキストで説明します
この図は、航空機の就航年ごとに、代表的な機種の離陸時における騒音レベルを比較したものです。 騒音レベルはデシベル(dB)で示されています。
図中の値は、実測値そのものではなく、空港近傍の測定点における騒音値(L_EPNL)を近似式により A 特性音圧レベル(L_A[dB])に換算した 参考値です。
| 就航年(目安) | 機種例 | 騒音レベル(約) |
|---|---|---|
| 1960年代 | B747-100 | 約110 dB |
| 1970年代 | B727-200 | 約102 dB |
| 1980年代 | B747-400 | 約104 dB |
| 1980年代 | B767-300 | 約95 dB |
| 1990年代 | B737-300 | 約93 dB |
| 1990年代 | B777-300 | 約97 dB |
| 2000年代 | B737-800 | 約92 dB |
| 2010年代 | A350-900 | 約90 dB |
| 2010年代 | A320neo | 約86 dB |
騒音軽減運航方式
| 区分 | 運航方式 | 運航方法の概要 | 効果 | 実施状況 |
|---|---|---|---|---|
| 離陸方式 | 急上昇方式 | 通常の離陸方式と比べて高い高度(約1,000m)まで急上昇を続け、 地上に到達する騒音の減少を図る。 | 効果大 | ほとんどの空港で実施 |
| NADP2(最適上昇方式) | 離陸後、一定高度に達した後も上昇を維持しながらフラップを格納し、 速度増加による揚力の増加で高度を獲得することで騒音の減少を図る。 | 効果大 | 羽田空港 | |
| 着陸方式 | ディレイドフラップ進入方式 | 脚下げおよびフラップ下げ操作をできるだけ遅らせ、 機体の空気抵抗を減じることで、エンジンの必要推力を低減し、 騒音の軽減を図る。 | -2~-3 dB(A) | ほとんどの空港で実施 |
| 低フラップ角着陸方式 | 接地するまでできる限り浅いフラップ角を使用し、 空気抵抗を減らすことでエンジン推力を抑え、騒音の軽減を図る。 | -2~-3 dB(A) | ほとんどの空港で実施 | |
| その他 | 優先滑走路方式 | 滑走路の一方に人家がない場合、 可能な限りその方向で離着陸を行う。 | 効果大 | 羽田空港、松山空港、仙台空港 |
| 優先飛行経路方式 | 旋回などにより人家を避けた飛行経路を設定し、 その経路に沿って飛行する。 | 効果大 | 羽田空港、伊丹空港、仙台空港、新潟空港 |
(2)空港構造の改良
空港構造の改良による航空機騒音対策の一つとして、滑走路の移転があります。
羽田空港では、東京都が造成した羽田沖廃棄物埋立地を活用した沖合展開事業等によって滑走路を沖合に移転し、陸域への騒音軽減を図っています。
(3)空港周辺対策事業
空港周辺環境対策事業では、航空機騒音の評価指標(Lden)の値の大きさに応じて、騒音対策区域(第1から3種)を定め、必要な事業を実施しています。
航空機騒音対策区域と支援内容の詳細
- 第1種区域(Lden62dB以上):住宅防音工事等
- 第2種区域(Lden73dB以上):移転補償、跡地整備等
- 第3種区域(Lden76dB以上):緩衝緑地帯整備等