航空管制科

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航空管制科では、航空管制官として必要となる基礎的な知識と技能を8か月間で身につけます。カリキュラムは航空英語や航空管制概論、飛行場管制論、航空法規などの専門的な科目と管制業務実習で構成されており、管制業務実習では、航空官署で実際に使用されているものと同じシミュレータを使用して基礎的な技能を学んでいきます。
また、寮生活や校外研修(航空官署等の見学)を通じて航空管制官に必要な「冷静さと責任感」「協調性」「学び取る力」も高めていきます。

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研修内容

研修施設の紹介

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航空路管制実習室

ここでは、空港間を結ぶ、高高度空域を監視する航空路管制業務を実習します。
実習では、高高度を高速で飛行する航空機の特性をシミュレータで再現し、安全かつ効率的な航空管制を学んでいます。
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進入管制実習室

ここでは、レーダーを使わずに空港周辺の航空機を管制(コントロール)する実習をします。
レーダーを使わないので、航空機の位置や高度はパイロットからの通報を用紙に記号や数字で記入して、これを使ってコントロールします。
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レーダー管制実習室

ここでは、空港周辺のレーダー管制業務を実習します。
空港で使用している物とほぼ同じレーダー画面を使用します。パイロット役も研修生が担当します。
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飛行場管制実習室

ここでは、空港の管制塔での業務を実習します。
管制塔からの視界をバーチャル映像で映し出し、臨場感たっぷりの実習を行っています。

研修修了後の業務紹介

飛行場管制業務

業務内容

空港にある管制塔から目視で航空機を確認して、離着陸の許可、飛行場面の走行経路の指示などを発出します。空港を中心に約9km圏内の空域を担当します。
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ターミナル・レーダー管制業務

業務内容

空港を離陸した航空機や空港に着陸する航空機に対して、レーダーを使用して航空機同士の安全な間隔を保ちながら、高度や飛行経路を指示します。空港から約100km圏内を担当します。
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航空路管制業務

業務内容

主に巡回中の航空機に対して、レーダーを使用して航空機同士の安全な間隔を保ちながら、高度や飛行経路を指示します。日本が担当する空域を3つの航空交通管制部で分担しています。
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先輩インタビュー

研修生(管制148期)

長谷部 桃香

航空管制科長

稲田 誠

航空管制科 教官

渡邉 大輔

航空管制科についてのQ&A

Q 空港に配属された航空管制官は管制塔で仕事をするのですか?
A
 空港に配属された航空管制官には、管制塔での「飛行場管制業務」とレーダー室での「ターミナル・レーダー管制業務」という業務を行います。
 「飛行場管制業務」は、航空機を目で見て、無線を使って離陸や着陸の許可などを行う仕事で、「ターミナル・レーダー管制業務」は、空港周辺約100kmほどの範囲内を飛行する航空機をレーダー画面を見ながら無線を使って方向や高度を指示する仕事です。
 航空管制官は、「飛行場管制業務」「ターミナル・レーダー管制業務」の両方の業務を交代しながら行いますが、空港によって実施している業務が異なり、飛行場管制業務だけを行う空港もあります。
 なお、稚内、山形、南紀白浜、山口宇部空港などには航空管制官が配置されておらず、「航空管制運航情報官」(航空情報科の修了生です。)が管制塔で「対空援助業務」という飛行中の航空機に様々な情報を提供する業務を行っています。
 また、三沢、小松、米子、徳島空港などの自衛隊等との共用飛行場や新千歳空港では、防衛省の管制官が仕事をしています。(※共用飛行場の全てが防衛省の管制官の業務というわけではありません。那覇空港は航空局の航空管制官が業務を行っています。)
Q 航空交通管制部とはどのような施設で、どのような仕事を行っているのですか?空港敷地内にあるのですか?
A
 航空交通管制部は、東京、神戸及び福岡の3か所にありますが、いずれも空港内にはありません。
 航空交通管制部では、「航空路管制業務」という、空港周辺以外の空域で飛行中の航空機に対して高度や針路などの指示を行う業務を行っています。(※おおよそ、航空機内でシートベルト着用サインが消えている間は、航空交通管制部の航空管制官により誘導されています。)
 航空交通管制部では、「航空路管制業務」のみを行いますが、管轄する空域が広大なため、これを細かく分割した「セクター」という区域の担当を交代しながら業務を行います。
Q 航空保安大学校での研修修了後、配属先の空港などですぐに航空管制官として仕事ができるのですか?
A
 航空管制官として業務を行うためには、航空保安大学校での研修修了後、配属先での資格を取るための専門研修と訓練が必要になります。
 配属先の空港によって研修・訓練の期間は異なりますが、配属先で必要となる資格を全て取得するまでには、おおむね1年~3年程度の期間が必要です。
Q 航空保安大学校の研修修了後、最初の配属先が空港だった場合、その後の転勤先も空港に限定されるのですか?
A
 空港に限定されることはありません。多くの航空管制官が空港と航空交通管制部の両方を経験していますので、航空保安大学校の基礎研修ではその両方の業務を学びします。
Q 研修修了後の配属先はどのような場所がありますか?
A
 研修修了後は、全国の空港事務所や航空交通管制部へ配属されます。詳しくは[ こちら ]を御覧ください。
Q 航空管制官には高い英語能力が必要とされますか?
A
 航空管制業務を行うには、国際民間航空機関(ICAO)が定める英語能力証明試験を定期的に受験し、一定基準以上の成績を修めなければなりません。
 通常時は、定型的な管制用語を使用しますが、緊急事態などが発生した場合は、一般的な英会話能力も必要となります。なお、英語はあくまでパイロットとのコミュニケーションツールであり、他のスキルを習得することも重要です。
Q 航空管制官には理系と文系のどちらが向いていますか?
A
 一概にはどちらとも言えません。
 航空気象や無線工学などの理数系科目、法令や英語などの文系科目など分野の違いにより得意不得意科目はあるでしょうが、研修生はそれぞれしっかりと勉強して乗り越えています。
Q どのような技能が航空管制官に必要ですか?
A
 航空機は自動車と違って高度差により経路が交差するので、三次元空間のイメージをしやすい人が向いています。また、複数の航空機を同時にコントロールするため、一点に集中することなくあちこちに気配りできることも大切です。
 それ以外にも航空機の便名や通報事項を聞いてすぐに記憶できる短期記憶能力や同時に複数の仕事をバランス良くこなす要領の良さがあると良いかもしれません。
 高速で飛行する多数の航空機を安全に処理するには個人の能力では限界がありますので、協調性も不可欠です。
 お互いの年齢や経歴に関係なく、アドバイスを素直に受け入れる心や、気付いたことを発言する積極性なども必要です。
Q 先輩方から新入生へのアドバイスなどはありますか?
A

 研修生には修了時にアンケートをお願いしています。その中からいくつかご紹介します。


★大学での専攻などは研修と全く関係ありません。必要なのは喰らいついていこうとする姿勢や仕事を好きになるための工夫だと思います。


★座学で学んだことが、実習で成果としてタカチに現れるまで個人差がありますが、一喜一憂することなく、一つずつ確実に修正して積み重ねていくことが、良い結果に結びつきます。
航空保安大学校では、ミスは学びの機会であって、決して悪いことではありません。


★様々なことを教官や先輩、同期、後輩研修生と議論して交流してほしいです。自分一人では分からないことも、共有することで深まり、前進します。ハードな8か月ですが、同期のこと・管制のことを好きになって、向上心をキープしてください。

Q 航空管制官採用試験の第1次試験にある「適性試験」とはどのような試験ですか?
A
 記憶についての検査(示された図や記号などを記憶するもの)と、空間関係についての検査(空間的な方向や移動などの状態を判断するもの)の2種類の設問があります。
 [ 人事院・国家公務員試験採用情報NAVI ]に昨年の試験問題が掲載されていますので御覧ください。