航空管制科

航空管制科2015S期 大阪研修へ
航空管制科2015S期研修生は、平成27年12月4日(金)に大阪研修に行ってきました。
本研修では、大阪空港事務所、システム開発評価・危機管理センター及び機体整備工場 を見学させていただくことができました。
大阪空港事務所
大阪空港事務所は、大阪空港の敷地内にあります。 A滑走路 (1,828 m) とB滑走路 (3,000 m) の長短2本が離れて整備されており、1日おおよそ370機の航空機を取り扱っています。
「大阪市内の上を越えてくる到着機や、離陸後すぐに旋回する出発機がよく見え、運用の難しさを実感することができました」
「ヘリコプターから大型旅客機まで多種多様な航空機に驚きましたが、的確にコントロールしている管制官の姿は格好良かったです」
「滑走路や航空機が想像以上に近くに見え、大きな窓によってとても開放的な印象を受けました」
「管制官同士の連携を目の当たりにすることができ、チームで空の安全を守っているのだと改めて実感しました」
システム開発評価・危機管理センター(SDECC)
システム開発評価・危機管理センターは、大阪国際空港の近隣に位置しています。
 航空機を安全で効率的に航空管制ができるようなコンピュータシステムを作り上げ、システム障害や大規模災害時などの危機管理状況に備えた訓練と環境構築を行っています。
職員は約54人。そのうち管制官出身者は20人で、開発評価管理官という立場で業務を行っています。
「これから導入される最新の機材を見学し、日々管制システムは向上しているということを実感しました」
「未来を感じるとともに、常に知識と技術をアップデートしていく必要があると感じました」
「大災害などが発生しても航空管制サービスを継続できるよう、システムバックアップおよび移駐バックアップとして機能するという仕組みに感銘を受けました」
「私たち一人一人も、緊急時に陥った際には何をすべきか、前もってイメージしておくことが重要だと思いました」
機体整備工場
全日空のご協力により、整備工場を見学させていただくことができました。
格納庫内はゴミ1つ落ちていないほど綺麗かつ整理されていました。
初めて機体を間近で見学し、航空機への理解が深まりました。レーダー画面上では点のように表示される航空機も、実際は何百人もの命を乗せて飛んでいるというイメージを持つことができ、管制するということに改めて責任を感じました。
 「部品1つ1つを大切に扱うこと=乗客の命を守ること」という整備士の方の言葉を聞き、航空機の安全に直結する仕事における、安全に対する意識の高さを実感しました。
 航空機の安全運航のため、多くの方がそれぞれの持ち場で職責を果たしていることを忘れず、自らも空の安全を支える職員のひとりであるという自覚を大切にしていきます。
航空管制科2015S期 大阪研修へ
航空管制科2015A期研修生は、平成27年11月27日、関西空港事務所において研修を行いました。
 10月に入校した2015A期にとって、初めて航空管制業務の現場を目にする機会となりました。
関西空港事務所
 関西空港事務所は、関西国際空港(関空)の敷地内にあります。今回は、航空管制官の職場である関空の飛行場管制室(管制塔)とターミナル・レーダー管制室、訓練用のシミュレーターを見学させていただきました。

関西空港事務所の庁舎

飛行場管制室(管制塔)
 関空は、大阪梅田から約1時間、泉州沖に造られた海上空港です。2本の滑走路と2つの旅客ターミナルビルを持ち、24時間航空機の離発着が可能です。毎日約230往復460便の飛行機が離着陸しています。また関空は、世界各国の60社以上の航空会社が就航する国際空港で、昨今話題のLCCの乗り入れ数は日本一です。
「初めて管制塔に登って、空港を上から見たことに感動しました。夕日がきれいでした」
「管制官の方々が『滑走路ライト点けたよ』などと声をかけながら仕事をしているのを聞いて、チームワークが重要な仕事なのだと改めて実感しました」
「管制塔からは、思ったよりも人が小さく見えました。この人々の安全を支えている責任を感じると同時に、現場に出るのがとても楽しみになりました」

管制塔から航空機に指示を出す管制官

ターミナル・レーダー管制室
 一般的な空港では、管制官はひとつの空港を離着陸する航空機を管制しますが、関空では「広域ターミナル管制」を行っています。
 関空のレーダー管制室で管轄する空域(関西進入管制区)では、関空・大阪(伊丹)・神戸・八尾の近畿圏4空港のほか、高松・岡山・高知空港の離着陸を扱うターミナル・レーダー管制も行っています。
「日本屈指の広大な進入管制区ですが、予想よりも少人数で業務を行っていました。一人ひとりの能力がとても重要だと感じました」
「複雑な空域なので、管制官同士の調整が難しそうでした。チームワークが求められる業務だと思いました」
「比較的航空機が少ない時間帯に見学させて頂いたとお聞きしたのですが、私には多く見えました。これで少ないのかと驚きました」

ターミナル・レーダー管制室全景

全体を通しての感想
「シミュレーター室も見学させていただきましたが、新人訓練だけではなく、資格を持った管制官も、日々の業務を振り返るためにシミュレーターを使用しているとのことでした。関西空港事務所の管制官の皆さんの仕事に対する姿勢に感銘を受けました」
「初めて実際の管制の現場を訪れて、とても緊張しました。でも、現場の雰囲気は予想外に温かくて、チームワークを大事にされていることを体感しました」
航空管制科2014A期 東京研修へ
管制科2014A期研修生は、平成27年6月15~16日の二日間、東京研修に行ってきました。
 本研修では、東京航空交通管制部、東京空港事務所及び日本航空の施設を見学させていただくことができました。
東京航空交通管制部
 埼玉県所沢市に所在する東京航空交通管制部(通称:東管)は、空港と空港を結ぶ高高度かつ広大な空域をとりしきる航空路管制を担当する4つの航空交通管制部のうち、最も広い空域を管轄しています。航空保安大学校が所在する関西地区には管制部がなく、研修生にとっては初めての航空路管制の現場見学となりました。
 「想像よりも広くて明るい運用室でした。1日約3800機、多い日は4000機を超える交通量を取り扱うと知ってはいましたが、実際のレーダー画面を見て、やはりその多さに驚きました」
 「東管では広い管轄区域を細かく分割しており、一人が担当する区域はかなり狭く感じました。その狭い区域を大量の航空機が通過するのですが、現場の管制官はとてもスムースに取り扱っており、資格を持ったプロの技術力に圧倒されました」

約300名の管制官が在籍する
東京航空交通管制部

東京空港事務所
 東京国際空港(羽田空港)を担当する東京空港事務所は、日本最大の交通量を取り扱う空港官署で、4本の滑走路を見下ろす管制塔の高さも日本一です。
 飛行場管制では1日1200機を超える離着陸を取り扱っています。また、ターミナル・レーダー管制では、羽田空港に加え成田国際空港の航空機も担当しており、その取扱量は1日約1900機です。
「国内で最も高い管制塔に上ることができました。あいにく天気がよくなく、遠くまで見通すことはできませんでしたが、担当する管制官は、ひっきりなしに着陸してくる到着機や地上にいる何機もの出発機を滞りなく処理していました。とてもかっこよかったです」
「ターミナル・レーダー管制室では、騒音軽減のため航空機をできるだけ海上で誘導するなど、私たちの実習ではまだ経験していない地域特性上の配慮を学ぶことができました」
「勤務中の管制官全員が協力し、複数の業務をこなしている姿を見ることができました。チームワークで安全かつ効率的な運航を支えているのだと刺激になりました」

日本一高い羽田の管制塔
(写真は晴天時のものです)

日本航空株式会社の各施設見学
 日本航空のご協力により、安全啓発センター、格納庫、フライトシミュレーターなどを見学させていただくことができました。
「安全啓発センターでは、1985年のJAL123便御巣鷹山墜落事故の、実際の残存機体が展示されていました。私たち航空に携わる関係者全員が命を預かる仕事をしているのだ、と安全を守る意識を新たにしました」
「格納庫見学では、初めて間近で機体を見ることができました。また複数の機種が駐機しており、その違いがよくわかりました」
「フライトシミュレーターで、パイロットの目線を体験することができました。また引率してくださったパイロットの方々のお話を聞き、パイロットの気持ちを考慮した、伝わりやすい指示を出せる管制官になりたいと思いました」

日本航空の格納庫を見学中